影羅物語 第一眼 必然という名の運命-デスティニー-





 
 
 
 
 
登場キャラクター
 

鏡目 イスル (キョウメ イスル)…高校二年生。邪気眼持ち。隠れ厨二病。

赤井 シズク (アカイ シズク)…高校二年生。僕ッ娘で変人。趣味でネットをかじっている。


 
 

比率 1:1


キャスト

鏡目 イスル♂:

赤井 シズク♀:

















とある高校の通学路。
自転車を全力で漕ぐイスルの姿。


イスルM「はあ…はあ……あと5分…!間に合うかっ!?」

シズク「まいったな…どうしよ」

イスルM「ああ、俺としたことが…よりによって始業式の日に寝坊するなんて、一生の不覚……ん?」

シズク「あれ…まじで…ねぇんだけど。わけわかめ」

イスルM「…俺が目をやった先には、何やら怪しげな人間がどぶに手を思いっきり突っ込んでる姿があった」

シズク「どこだ英二…」

イスルM「それは、俺の学校の制服を着ている奴だった…」

イスル「あのー…大丈夫ですか?」

シズク「何処なんだぁ…」

イスル「すみませーん」

シズク「ここじゃないしなぁ…」

イスル「聞いてますか?」

シズク「何処だ何処だ何処だ!どおおぉぉこだああああああっ!英二いいいいいっ!」

イスル「誰えええええ!?」

イスルM「俺は驚いた。なんとそいつはいきなりブリッジをしながら目にも止まらぬ速さで俺の方向へと走り出したのだ…」

シズク「ぐおおおおお!」

イスル「ぬ…ぬわあああああああっ!」

シズク「くぎゅっ!」

イスル「いっててて…」

シズク「あんた…英二?」

イスル「は?」

シズク「英二!英二なのね!よかった…お母さん本ッ当に心配したのよ…」

イスル「いや英二じゃないから!人違いだから!」

シズク「じゃお前誰」

イスル「…聞きたいか?」
 
シズク「え、ああ、うん」
 
イスル「ふふっ…そこまで言うなら仕方あるまい。実は俺は裏世界では有名な邪気眼の…はっ!しまった…」

シズク「あーっ!」
 
イスル「やはり知っていたか…ふっ、ばれては仕方が無い」
 
シズク「それより英二探さないと!」
 
イスル「あ、聞いてなかったんだ」
 
シズク「あんたさ、僕の英二見てない?」

イスル「英二って誰だよ」

シズク「赤いふちの眼鏡なんだけどー…どうやらあのどぶに落としてしまったようだ…くっ」

イスル「そしたら見るわけないだろ」

シズク「そうか…」

イスル「その…英二…君?なんだけどさぁ」

シズク「ちょっと何言ってんの、英二は女の子だよ!ヴァカじゃねーの」

イスル「女の子なのぉ!?だとしたらそのネーミング間違ってるだろ!ヴァカはどっちだ!」
 
シズク「英二を侮辱するなあああああ!」
 
イスル「いや侮辱してないから!」
 
シズク「はぁ…ったく、どこにいったんだよ英二…」
 
イスル「というか…英二なら多分もう見つけたけど」

シズク「まじで!?どこどこ?」

イスル「そこに」

シズク「あぁ!?どこやねん!」

イスル「おでこにかかってるから!」

シズク「…あ、本当ですね。携帯いじるときに邪魔でどかしたのを忘れていました」

イスル「というかよくブリッジしてるときに落ちなかったな…」

シズク「荒川アンダーザブリッジ?あれいいよね」

イスル「…ったく、あんたのせいで俺のソウル・デスティニー・エターナル・ザ・チャリオンが…」

シズク「ソウル・デスワルツ・エタニティ・ザ・エヴァンゲリオン?」

イスル「デスワルツ?…いや…なんでもない」

シズク「もっかい言って、もっかい」

イスル「だからぁ…ソウル・デスティニー・エターナル・ザ…ってお前、ふざけ…」

シズク「お前ふざけんなよ?」

イスル「それはこっちの…」

シズク「あーあ、死ぬかと思ったよ。まったく最近の男子高校生は」

イスル「あんたが勝手にブリッジで体当たりしてきたんだろ!…っていうかさ」

シズク「あー?なんすかぁー?」

イスル「なんでそこ授業中にヤンキーが先生に注意されたときみたいな受け答え方なんですか」

シズク「別にええやん。用件言うてみ」

イスル「今度は似非(エセ)関西弁かいな!」

シズク「おお、無駄にノリがいいな。で?」

イスル「無駄ってなんやねん。いや…なんていうかその、血が」

シズク「へ?ブラッド?」

イスル「出血……いや、ブラッドアウト現象が…やばいですよ」

シズク「あ、本当だ」

イスル「ま、まぁとりあえずハンカチどうぞ」

シズク「血…血だ…ククッ」

イスル「どうかしましたか?」

シズク「アカ…イ……僕の……」

イスル「あのー」

シズク「鮮血…ふっ」

イスル「英二のお母さん…?」

シズク「ふふっふふふ、あはははははっ!」

イスル「ッ!?」

シズク「クッ、クククククク」

イスル「ぐっ、凄まじい魔力だ…!一体何が起こっている…!」

シズク「クックドゥー(迫真)」

イスル「なっ…」

シズク「…厨二ってこんな感じ?」

イスル「えっ?チ、チューニ…?」

シズク「いやーごめんごめん、一度やってみたかったんだよね」

イスル「今のってなんのネタですか?」

シズク「厨二病患者の真似」

イスル「……はぁ」

シズク「似てたろ」

イスル「似てたもなにも…俺元ネタ知らないんでー」

シズク「まったまたぁー。冗談言っちゃってぇ」

イスル「いや、本当っす」

シズク「…ガチで?」

イスル「はい」

シズク「そ、そうか…」

イスル「じゃあ、急いでるんで俺はもう失礼します」

シズク「待て」

イスル「はい?」

シズク「乗せていけ」

イスル「…嫌です」


イスルM「その後、俺は要求を拒否したにも関わらず、そいつは俺の自転車…名称ソウルデスティニーエターナルザチャリオンを強奪し、学校へ向かう曲がり角へと消えていった…」
 



シズクM「しかしあいつの言動、それと右目の包帯……絶対厨二意識してるよ。なんか家で"邪気眼ッ!"とかやってそう。あー痛い痛い」
 

イスル「危ない危ない…危うく俺が邪気持ちだということがばれるところだった……さぁ、今宵も奴らを狩りに行くか。邪気眼ッ!」






<◎><◎> つ づ く

 
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